ワークブース導入に向けた注意点
「ワークブースを導入しよう! 」
テレワークの導入でWeb会議が急激に増えたため、会議室不足や防音対策のためにワークブースを導入しようという企業が増えてきました。
駅や商業ビルでも個室スペースを頻繁に見かけるようになりましたが、そのデザインや内部の機能は実にさまざまです。そして設置となると、事前に把握すべき事項はサイズ感や機能性にとどまりません。
ブースが密室の場合は「消防法に抵触していないか」を確認する必要があり、大変重要なポイントです。
消防法とは
消防法とは、「火災を未然に防ぐ」「もし火災が起きてしまっても被害を最小現にとどめる」という内容の法律です。
設備ではスプリンクラーや火災報知器の設置義務などがあげられます。また社員の命や会社の財産を守るための点検も義務付けられており、オフィスや自宅で消防の点検に立ち合った経験のある方もいるでしょう。
その他に可燃の可能性があるものに対しての保管方法や運搬方法などが定められています。また過去に起きた災害を受けて罰則が見直されたり、設備基準も強化されたりと消防法はたびたび改正が行われています。
なぜ、消防法の確認が必要なのか?
ワークブースを導入するのに、なぜ消防法の確認が必要なのでしょうか。 ワークブースは防音性に優れているためブース内の音を漏らさない特性があります。一方で密室となるブース内は外の音が聞こえにくい状況になるため、火災が起きてもその状況に気付けず逃げ遅れてしまう可能性が考えられるのです。ワークブース導入前は万が一の火災に備え、導入基準を満たしているか事前に確認する必要があります。販売事業社も事前に確認は行いますが、導入後は定期的な点検が必要です。「そんなことは聞いてない」「知らなかった」とならないよう、設置前に複数の販売業者に確認することをおすすめします。
導入予定のワークブースが消防法に準拠しているか確認する
まずは導入を希望しているワークブースを確認
設置するワークブースの種類によっては、感知器やスプリンクラーの設置が免除される場合があります。以下の場合はスプリンクラーや自動火災報知器の設置が免除されます。
・ブースの床面積が3m²以下
・ブースの天井および壁が不燃材料で仕上げられている
・ブース外部から当該ブース内で発生した火災を目視などで確認できる
・ブース内に住宅用下方放出型自動消火装置を設置し、ブース内で火災が発生しても確実に消化できることが消化実験 などで確認されている
・ブース内の住宅用下方放出型自動消火装置が、パッケージ型自動消火設備Ⅱ型に準じた点検が定期的に実施され、適切に維持管理されている
また、以下の場合は、放送設備のスピーカー設備も免除されます。
・ブースの床面積が3m²以下
・ブース内部からから当該ブース外で発生した火災を目視などで確認できる
・ブース内において放送設備による音圧が65デシベル以上で聞こえる
販売業者が導入時に確認・手続きをしてくれる場合もありますが、導入後に罰則を受けないためにも業者に任せきりにせず事前に必ず確認を行いましょう。またワークブースを比較検討する際も、販売業者が消防法に対応しているか確認しましょう。
導入前には必ず問い合わせを
少しでも不安な方は迷わず販売業者に相談しましょう。「問い合わせだけでは不安だ」「実際に体験したい」という場合は、予約見学をおすすめします。実際に見るとイメージがつかめるだけでなく、専任のスタッフが疑問にも答えてくれるため安心です。さらに活用事例も聞けるので、設置イメージの参考にもなるでしょう。ワークブースが決まったら導入前にオフィスの下見をしてもらい、見積もりを出してもらうと設置までスムーズです。導入後の失敗を防ぐためにも事前に疑問点を解消し、消防法の準備もしっかり行いましょう。
まとめ
ワークブースを導入にするにあたり、消防法に関する注意事項をまとめました。「ワークブースの設置は大変そうだ」と不安になってしまう方もいるかもしれません。しかし消防法は社員の命や会社の財産を守るためにも重要な事項です。販売業者に相談したり、予約見学で専任スタッフに聞いたりするなど事前にしっかり準備することは可能です。業者によっては丁寧なサポートを受けられる可能性もあります。ささいなことでも気になることは事前に相談し、不安を解消してから導入に進みましょう。
※参考※
https://www.shouboutenken.com/basic/64.html/